犬の歯周病は他犬にも感染する?

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虫歯菌は親から子へ感染する・・・近年子育てに関する話題の中でたびたび注意喚起されています。

一昔前に比べ、現代ではたとえ親子であっても口移しや箸の共有は避けることが望ましいのです。

犬と人間の歯周病の発症メカニズムはほぼ同じです。

つまり犬同士でも感染拡大の危険がある上に、一部の研究では犬と人間との間での感染さえも危険性があると言われています。歯周病は決して放置が許される病気ではありません。

適切なケアと早期治療で良好な状態を保ちましょう。

犬同士のふれあいで歯周病が感染拡大することがあります

歯周病の感染拡大は基本的には唾液を通じて起こることが大半です。

そのため親子で感染をしてしまうこともあれば他犬とじゃれ合うことで感染してしまうこともあります。しかし万が一、他犬から菌がうつってしまったとしても、即座に深刻な症状がおこるわけではないので、なかなか実感がわかないという事が現実です。

感染は顕微鏡レベルでの確認が必要になるので、完全な予防も難しいでしょう。感染の危険性をさけるために愛犬を他犬と引き離してしまうことも好ましい対策ではありません。

歯周病は正しく仕組みや危険性を理解し、適切な方法で予防策を講じてあげましょう。

家庭で注意すべきポイント

日常生活の中で歯周病の感染に注意すべきポイントは

・飲み水の器の共有

・食器の共有

・歯磨きの共有

・子犬の授乳中

・オヤツの共有

など様々あります。

本来であれば食事や飲み水の器は個別管理をして、それぞれが自分専用の物を愛用してくれると安心ですが、なかなか徹底することは難しいでしょう。

またドッグランなどで親しい犬と顔を合わせた場合は同ボールを使い遊ぶこともあります。もちろん多頭飼いの場合、全ての場面においてそれぞれの犬に個別の食器を用意したり、専用化することは難しいでしょう。

つまり歯周病が他犬から感染することを防ぐための対策が行き届かないことを受け入れ、別の方法で予防策を講じてあげましょう。

歯周病対策に最も効果的な方法は歯磨きです。

歯磨きの方法には

・歯ブラシ

・歯磨きシートやガーゼ

・シロップを口内にい滴下する

・飲み水に歯磨き用品を混ぜる

・ガムを与える

など様々な方法があります。

中でも歯ブラシや歯磨きシートと歯磨き粉を併用する方法は最も効果が高い方法です。犬の歯磨きは習慣化することでお互いスムーズに終えることの出来るようになる簡単なお手入れです。

中には歯磨きの時間をたのしみにしてくれる愛犬もいます。

本来は犬にとって歯磨きは快適なお手入れではありませんが、飼い主さんに褒めてもらえること、構ってもらえることを嬉しいと感じてくれるのでしょう。

歯磨きを今後は愛犬とのスキンシップ、コミュニケーションの一環としてぜひ取り入れてゆきましょう。

歯ブラシやガーゼの感触を嫌がる場合や忙しくて定期的に時間をさけないという場合は、口内に歯磨きシロップを滴下する、飲み水に滴下するという簡単な方法で取り入れることの出来る方法で歯磨きを継続してあげましょう。

歯磨きは習慣化すること、継続することで初めて効果が現れます。

決していつまでという期限はないので、今後も末永く続けてあげましょう。

■歯周病が気になる場合の対処法

日常生活の中で愛犬の

・口臭が気になる

・歯の汚れが気になる

・年齢的に健康管理を念入りにしてあげたい

・硬い物を食べたがらない

・以前に比べ食事に時間がかかる

という場合は、歯周病を発症している可能性があるので動物病院で定期健診や歯科検診を受けましょう。歯垢や歯石は歯の表面だけでなく裏側や溝にまで蓄積されています。

専用の器具を使い口内を隅々まで確認する必要があります。検診を受けることで。飼い主の目線からでは気が付かない、見えなかった深刻な症状が口の奥で進んでいることもあります。

愛犬が日々健康に生活をして、美味しく食事をするためにも定期的な検査で現状を把握し、今後のお手入れ方法を考えてあげましょう。お手入れの方法は年齢や症状によって都度見直すことも必要です。

子犬の頃は歯ブラシが苦手でシロップを使っていた場合でも成長と共に落ち着きを見せるようになり、大人しく歯ブラシを受け入れてくれるようになることもあります。

逆に症状が進行したことで、口内に痛みや不快感があり歯ブラシやガーゼで直接的な刺激をされることを嫌がるようになることもあります。

このような場合は刺激の少ない滴下式の製品を活用し、痛みが和らぐまで様子を見てあげましょう。

歯垢や歯石が原因で起こる歯周病の治療法は

・飲み薬を与え炎症を鎮める

・歯磨き汚れでを落とす

・動物病院やトリミングショップなどで無麻酔での歯石除去をする

・動物病院で全身麻酔を施し歯石除去をする

など様々な選択肢があります。

症状や年齢、日ごろの食生活によって最適な対処法は異なります。

愛犬にとってもっとも効果があり、負担の少ない方法をまずは見つけてあげましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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