歯石除去が必要になる症状の目安

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トリミングショップや動物病院で「無麻酔歯石除去」サービスを受けることが出来ます。

この方法はスケラーと呼ばれる歯科治療用器具を用いて歯の表面を削り取る処置です。

ただ麻酔を施さずに行うので多少の痛みや不快感はあるものの、高齢犬でも安心して処置を受けることが出来ます。

歯垢や歯石除去は早期の対処が理想的

歯垢や歯石と呼ばれる口内の汚れは日々の食事やオヤツを通じて毎日わずかな量ずつ蓄積され続けています。小まめに様子を確認しても目に見える変化を感じないものの、数年前の写真などと比較をするとその差は一目瞭然でしょう。

ただこの症状は決して自然治癒することはなく、一旦進行が始まってしまうとその先は犬自身で対処が出来ません。

平然と暮らしているように見える場合でも実は痛みを抱えていることもあります。歯は健康で長生きをするうえで欠かせない重要な役割を担っています。

現代の食生活では避けては通れない歯垢や歯石の問題は早急に対処をしてあげましょう。

対処が早ければ愛犬が辛い痛みに悩まされることも生命を脅かすほどの危険にさらされることも避けることが出来るはずです。

処置が必要になる症状の目安

歯垢や歯石という言葉を耳にはするものの、いざあ専門的な処置、高度な処置をとなるとつい躊躇してしまうことはありませんか?

愛犬はまだ若いから関係ない・・・

この程度なら平常の範囲内・・・

保険の効かない措置だから・・・

食欲に変化がないから・・・

実は歯垢や歯石によるトラブルは早ければ3,4歳で相当進行するケースもあり、決して高齢になった犬だけの問題ではありません。

もし愛犬に

・不快な口臭がある

・歯の表面がザラザラしている

・歯の根元に茶色膜が張っている

・歯茎が赤くはれている

・口もとを触ると嫌がる

などの症状がみられる場合はすでに初期症状が起こっていることも考えられます。

まずは専門家に相談をして現状をきちんと把握してあげましょう。症状がまだ軽度で初期の段階であれば、歯垢や歯石の除去には麻酔を用いずに無麻酔で短時間に終えることが出来る方法があります。

この方法は犬はおとなしく受け入れてくれればほんの数分で歯の表面から不要物を取り除くことが出来ます。これまでは麻酔を施す方法が一般的でしたが、麻酔には様々なリスクがある上に、高齢の犬には危険度が高く施すことをさける傾向にありました。

しかし無麻酔での処置ならたとえ高齢であっても行うことが出来るので、大切な歯のトラブルを早期に安全に掻き結することが出来ます。

ただ無麻酔で口内に高度な処置を施すという事は決して簡単なことではありません。処置には正しい知識と十分な経験がかかせません。

無麻酔処置を依頼する際は、あらかじめ十分な説明期間を持ち、愛犬の性格や症状をお互いに把握したうえで進めてゆきましょう。

処置後のホームケアも大切

スケラーと呼ばれる専用の器具を用いて歯の表面から歯垢や歯石を取り除く処置は即効性があり、目に見える改善を実感出来る処置方法です。数年かけて蓄積してきた汚れを数十分で解消できるのですから如何に効率的かわかります。

家庭での歯磨きでは取り除けない汚れもすっきりと取り除くことが出来、飼い主さんの負担軽減にもつながります。しかしこの処置はあくまでも一時的な応急処置であることを正しく理解することが大切です。

歯の表面から人工的に取り除かれた歯垢や歯石は一旦はリセットされても、今後の食生活やオヤツで再度蓄積を続けることも考えられます。

高度で専門的な処置を必要とする生活を送ってきたことをしっかりと受け取め今後の再発防止に努めてあげましょう。再発防止には定期的な歯磨きが最も効果的です。

家庭で行う犬の歯磨きはほんの数分で完了出来るとても簡単なお手入れです。その上歯ブラシ、歯磨きシート、歯磨き粉と専用製品も多数発売されています。

また最近発売された、リペアンデンタルクリーナーは、物理的な作用(爪やスケーラー、鉗子)が必要なものの、斥力(=反発力)を利用した、ご自宅で手軽に歯石が取れると言われている画期的な商品も販売されるようになりました。

家族が愛犬とくつろぐ時間を上手に活用し習慣化することで、愛犬の口内トラブルの予防ができ、さらに健康的な生活へとつなげることが出来るので、ぜひこれからは歯磨きをお手入れの1つに取り入れてあげましょう。

嫌がる場合は麻酔も検討を

犬の中には

・顔周りを触られるのが苦手

・顔に手や物が近づくと条件反射的に威嚇してしまう

・歯磨きが苦手で不意に噛みついてしまう

・家族以外の人間の抱っこやふれあいが苦手

・トリミングテーブルなどの高い場所が苦手

・他犬と同じ部屋で過ごすと興奮してしまう

という性格を抱えている犬もいます。

このような場合、無麻酔での処置には様々な危険が伴うと考えられます。歯垢や歯石の除去には麻酔を用いた処置を優先的に取り入れてあげましょう。

ただ麻酔を用いる処置はたびたび行うことで、徐々に麻酔への効き目が弱くなったり、危険度が高まることもあります。出来る限り利用頻度を下げることが出来るように、家庭での歯磨きを念入りに行い、日ごろから歯の健康を心がけてあげましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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