愛犬の歯石除去の相場や効果効能とは?

  • カテゴリ:無麻酔歯石除去
  • タグ:リペアンデンタルクリーナー

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歯垢や歯石の問題を耳にしたり、動物病院で指摘を受けることで愛犬の口内環境について改めて考えることが増えたという方も多いでしょう。

最近では全身麻酔を使用せずに無麻酔状態で歯垢や歯石を除去することの出来る技法も導入され、これまでよりも口内の高度なケアが身近になっています。

しかし一方で高額な費用がかかるものの、再発の危険もあると聞くとあえて処置を行う必要性があるのか?と疑問に感じることもあるはずです。

ここでは歯垢や歯石を除去することの効果効能についえご説明させていただきます。

歯垢や歯石除去にかかる費用相場

歯垢や歯石の除去にかかる費用は

〇全身麻酔を行う場合 小型犬 25000円~ 所要時間2時間前後、入院不要

中型犬 35000円~

〇無麻酔の場合 小型犬 4000円~ 所要時間5分程度

中、大型犬の場合は麻酔の量によって価格が変ります。無麻酔の場合も同様です。

また症状や歯垢や歯石の付着の程度、犬の性格によって作業時間が長くなる場合には別途費用が加算されることもあります。また処置を行う中で深刻な症状が見つかった場合は処置を中断し治療に切り替えることも理解しておきましょう。

全身麻酔で処置を行う場合、費用が高額ですが口内を隅々まで一度に処置出来るというメリットがあります。

無麻酔の場合は、一度に長時間の処置が難しいので、数回に分け処置を繰り返すことで、最終的には全ての歯垢や歯石を除去することを目指しています。

無麻酔での処置は、トリミングと同時に施術を受けるという方が多く、定期的に利用することで家庭での歯磨きの仕上げの意味、定期確認の意味を兼ねています。

歯垢や歯石は日々微量ずつついてしまうので、こまめに処置を受けるという意味では無麻酔での処置は適していると言えます。

歯垢や歯石を除去する効果効能

歯垢や歯石を除去する最大のメリットは歯周病や口内トラブルの進行を遅らせることが出来るという事です。

どんなに家庭で丁寧に歯磨きをしても、歯の表面が歯垢や歯石で覆われていては歯磨き粉の成分が行き届かない上に、歯を磨くのではなく歯垢や歯石の表面を磨いているにすぎません。

歯磨きを続けていても雑菌の繁殖も進行し続けるので、歯茎や内臓へのダメージリスクも抱えたままです。

しかし歯垢や歯石を除去することで

〇歯の表面をしっかりと磨ける

〇歯茎と歯の境目をしっかりと磨くことが出来る

〇雑菌の繁殖を予防することが出来る

〇不快な口臭が軽減される

〇歯の状態を正しく把握し、適切な治療を始めることが出来る

歯の状態は歯の表面だけでなく、歯の裏側、奥歯のさらに奥までも確認しなければ正しく把握できません。

表面から見える部分だけではないのです。

愛犬の歯を健康な状態に保ち、痛みがあるのであれば取り除いてあげるためにも歯垢や歯石の除去は前向きに考え

早期に取り組んであげましょう。

実は高度な処置にはデメリットもある

歯垢や歯石を取り除くことは様々なメリットがある反面で実は深刻なデメリットもあります。

それは歯の表面のエナメル質もはがれるリスクもあるという点です。歯垢や歯石は歯の表面に完全に密着しています。この状態からスケーラーという器具を用いてひきはがしますが、その際に歯の表面にあるエナメル質も区別することが出来ないので一緒にはがされてしまいます。

エナメル質そのものは本来はとてもかたいのですが、スケーラーに施術時は相当な力が加わるのでこの点は回避出来ません。エナメル質は歯の表面のバリア的な役割を担っています。

エナメル質が100%残存した状態に比べ、歯垢や歯石と合わせて除去されてしまった場合は層が薄くなるので、次の歯垢や歯石によるダメージはより短いサイクルで起こりえます。

つまり再発のリスクが施術を繰り返すたびに高くなる上に、再発した場合は前回に比べ深刻な症状になる危険があります。この点を十分に理解したうえで家庭でのケアに取り組み、再発を出来る限り遅らせてあげましょう。

そこで、最近、マイナスイオン同士の働きで反発しあって汚れが取れるという「リペアンデンタルクリーナー」というのも発売されております。物理的な作用(爪やスケーラー、鉗子)が必要なものの、斥力(=反発力)を利用しているため、エナメル質を傷つけにくいというメリットもあります。スケーラーなどと併用すると良いでしょう。

手軽に、ご自宅で歯石対策ができる商品など、動物病院で施術を決断する前に試してみるのも検討してみると良いでしょう。

 

施術は専門医に依頼がベスト

実はトリマーやトレーナーなどペット関連サービスの多くは個人で開業し運営されていることが多々あります。これは開業にあたって法的に必要と定めた資格制度がない事が関係しています。

そのため中には、無麻酔での歯垢、歯石除去を十分な経験や知識がないままで提供している事業者もあります。事前に、実績や経験なども尋ねて、十分なカウセリングを行ってから依頼しましょう。

なぜなら、口内には大変重要な神経や血管が張り巡らされている上に、万が一器具で傷をつけてしまうと大量出血に至る危険性が高いのです。施術を依頼する際は動物病院など十分な経験と知識があり、万が一の事故の際も即座に処置が可能な事を前提条件と考えましょう。

日ごろどんなにおとなしい性格の犬でも、時には周囲の犬に刺激され興奮状態になることもあれば、飼い主が気がつかない間に歯垢や歯石が虫歯になり神経を刺激している場合もあります。

不注意に触れたことで激痛が走り、暴れ出すこともあるので決して安易な依頼や家庭での施術は行わないよう注意しましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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