猫の食欲不振の原因は、歯垢や歯石の可能性も。

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気まぐれな猫の食事は常に器に入れて置いたまま・・・とうご家庭が多いのではないでしょうか?

このようなスタイルで生活をしていると、つい愛猫の食欲に無頓着になってしまっていませんか?

実は今、多くの猫が歯垢や歯石を原因とする口内トラブルに悩んでいます。口内トラブルが起こると辛い痛みが起こり、毎日の食事もままならなくなります。

愛猫がきちんとご飯を食べることが出来ているか?食事に困っていないか?日ごろから気にかけてあげましょう。

歯垢や歯石が原因で起こるトラブル

猫の口の中を改めてのぞき込む機会はなかなかない物でしょう。

でもあえて愛猫の口を開け、内部を確認してみましょう。

〇歯垢や歯石が付いていないか?

〇歯茎が赤くはれていないか?

〇口内炎がないか?

〇不快な口臭がないか?

歯垢や歯石は歯の表側にはついていなくても、歯の裏側に蓄積していることもあります。

すでに症状が進行している場合は口を開けること、触れられることさえも嫌がるでしょう。

歯垢や歯石が蓄積すると

・歯茎の腫れ

・歯のぐらつき

・口内炎

・内臓疾患

など様々なトラブルが起こります。

歯垢や歯石が原因で歯茎が下がると歯と歯茎の間に深い溝が出来、歯垢や歯石がより溜まりやすくなります。歯がぐらつき始めると痛みと不快感から食事が進まない、躊躇するようになります。

痛みが強くなると口を閉じることさえ不自由になり、異常な量のよだれが出るようにもなります。口内で増殖した雑菌が内臓まで浸食してしまうと、内臓機能にまで影響を与えます。

単なる歯の汚れが猫に思わぬ不調を引き起こしてしまうで、口内の健康管理が如何に大切かを正しく理解してあげましょう。

ご飯を食べることが出来ない・・・この事が意味するのは?

猫がご飯を食べたいのに、食べることが出来ない・・・単なるわがまま、気まぐれではない場合、猫が抱えるストレスは想像以上でしょう。

目の前に食べ物があるにも関わらず、口内の痛みが原因で食べることが出来ない状況は人間でさえも辛いものです。

もちろんご飯を食べることが出来ないという状態は

・ストレスス性の問題行動

・体重減少

・免疫力の低下

などが起こりかねません。

歯垢や歯石の予防に配慮しつつ、愛猫が安心して食べることの出来る食事を用意し、治療と並行してあげましょう。

例えば

・添加物の配合されていないウエットフード

・ドライフードをふやかして与える

・人間用食材で作る手作りご飯

などがおすすめです。

基本的には柔らかい事、飲みこみやすい事、消化吸収に負担がかからない事を基準に考えてあげましょう。歯垢や歯石が付着する原因を「柔らかい食べ物」を食べているからと誤解されている飼い主さんが実は多くみられます。

猫は本来野生環境で自力で獲物を手に入れ、食べて生活をしていました。当然獲物となるのはネズミや魚などの肉類です。つまりこれらの獲物は全て柔らかく、食べやすい物ばかりです。

猫が歯垢や歯石に悩むようになってしまった理由は柔らかい食べ物が原因という事ではなく、人工的にやわらかさを作りだす過程で配合された添加物にあるという事を正しく理解しておきましょう。

家庭で出来る解決策

まず現状を正しく把握することから始めてあげましょう。

歯垢や歯石を原因とするトラブルにも症状の程度があり、初期であれば今後の歯磨きの習慣化や食事内容の見直しで改善を目指すことも出来ます。

具体的には

〇週に数回の歯磨きを習慣化する

〇食事を添加物の少ない製品に切り替える

という簡単な方法です。症状が進行することを防ぐために、日々の生活に予防策を講じてあげましょう。

症状がすでに進行していて、歯の表面に歯垢や歯石が蓄積している、変色している、不快な口臭がある場合は、動物病院に相談をして専門的な処置を施してもらう必要があります。

すでに石化してしまっている歯垢や歯石、口内で増殖している雑菌は飼い主さんによる歯磨き程度では解消することが出来ません。症状は日々進行する上に、痛みを伴う事から猫自身も口周りに触れることを嫌がるでようになります。

動物病院では全身麻酔をかけ安全を確保したうえで専用の器具を使用して歯の表面についた歯垢や歯石を削り取る処置を施します。この処置はデリケートな口内ですから当然家庭で行うには大変な危険が伴います。

ネット通販ではスケラーと呼ばれる専用器具の販売も行なわれていますが、十分な医療的技術を持たずに安易に家庭で行うと口内を傷つけてしまったり、歯の表面に深い傷をつけてしまいかねないので決して行ってはいけません。

動物病院でのこのような高度な処置はあくまでも一時的な処置です。

蓄積された汚れを取り除くという効果はあるものの、今後の再発予防を約束するものではありません。

処置に生活習慣や食生活を見直さなければ、数年先には再度同じ症状に陥り、処置が必要になるので、処置後の家庭でのお手入れ法についても正しく身に着けておいてあげましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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