歯だけでは終わらない歯周病の悪影響
- カテゴリ:犬の歯周病対策
- タグ:歯周病

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犬の口内トラブルや歯周病の問題がたびたび話題にあがるものの、まだまだその深刻さを実感できていないという方もいるでしょう。
犬に歯磨きをすることを過剰なお世話、過度な衛生管理、過保護と捉えてしまうからです。しかし犬の歯周病は現代病とも呼ばれ、決して放置したり、軽視出来る問題ではありません。
時には単なる歯周病と思っていた症状が深刻な内臓疾患にまで発展することもあるので正しく理解し、日ごろのケアに取り組んであげましょう。
歯周病がもたらす様々な悪影響
歯周病とは口内に繁殖した雑菌が原因で歯茎の腫れや出血が起きたり、歯がぐらついたり、口臭が生じたりという病気のことです。
一見、単なる口内だけの症状と思われることもありますが、実は口内で増殖した雑菌は顎の骨や頬、内臓にまで浸食し様々な悪影響をもたらします。
具体的には
・くしゃみ・鼻水・鼻出血が起こる
・食事のときに痛がる、食欲が減退する
・小型犬の場合は顎の骨がもろくなり骨折状態になる
・頬や目の周りの組織が壊死してしまい穴が開く、陥没する
・心臓病
・細菌性肺炎
・腎臓や肝臓へのダメージ
などがあります。
いずれも健康を維持するうえでは大問題と言える症状ばかりです。
もし愛犬がこのような深刻な状態に陥ってしまった場合、治療期間は長くなり、高度な手術が必要になることもあるでしょう。
しかし犬が抱える歯周病の危険性を正しく理解し、日ごろから口内のケアや歯磨きを習慣化してあげることでこれらの危険を遠ざけることはできます。現代の犬にとって歯磨きは決して過保護なことでも過剰なお世話でもなく、健康を維持するうえで欠かせない習慣です。
まずは週に一回からでも歯磨きに取り組むことに挑戦してみましょう。
愛犬の歯周病を予防する方法
想像以上に深刻な影響をもたらすことのある犬の歯周病を予防するには
・食生活の改善
・口内のお手入れ
・唾液の分泌を促進する
という方法が効果的です。
歯垢や歯石が生じる最大の原因は日々の食生活にあります。
特に小型犬の場合、不安定な食欲に対処するために嗜好性を重視した食事選びが当たり前になっていないでしょうか?
缶詰やウエットフード、半生フードは嗜好性が高い上に、生肉に似た見た目、風味がするので人間の目から見てもおいしそうだと感じる製品が多々あります。しかしこれらの嗜好性が高いドッグフードの中には過度の量の添加物を配合している製品が多々あります。
愛犬が喜んで食べることが必ずしも安全で安心な食事内容になっているとは限りません。
ウエットフードに配合されている添加物の中には、犬に有害性が高いとされる成分もあります。
このような食生活をまずは見直し、今後は
・添加物の配合が極力少ない製品
・犬の健康維持に好ましい製品
・適度な硬さのある製品
を選んであげましょう。
すでに歯周病が悪化している、抜糸している、高齢などの理由からドライフードを食べることが出来ない場合は、家族の食事から食材を取り分けて作る「手作りご飯」でも十分な改善効果があります。
基本となる食生活を改善したうえで、歯磨きなどのお手入れ、ガムを与えることで唾液の分泌を促進させるという方法を併用してあげるとより予防効果が高まります。
意外に多い食生活への勘違い
歯周病の原因となる食生活について意外に多くの方が同じ勘違いをしています。
それは「柔らかい物」を食べていることが歯周病を引き起こす原因だという内容です。しかしこの考えは単なる勘違いです。
犬や猫は柔らかい物を食べていたから歯周病を起こしているわけではなく、
・添加物の多いもの
・人工的な加工物
・自身の唾液では洗浄しきれない成分の摂取
が原因となり歯周病を起こしているのです。
犬の唾液には本来、洗浄、殺菌効果があります。自身の口内は自身の唾液で正常で清潔な状態に保つことが出来ます。
しかし人工的な添加物や犬が自然界では摂取することのない成分を摂取することで、唾液の効果効能だけでは対処しきれずに歯周病が起こります。
一昔前、犬がまだ屋外で生活をしていて、人間の残飯を与えられ食事とすることが当たり前だった時代、犬は現代ほど歯周病に悩まされることはありませんでした。高齢になると歯の表面が変色し、茶色くなることは合っても決して骨や内臓にまで悪影響を与えるほどではありませんでした。
つまり小型犬の食に悩みを抱え、安易にい市販のウエットフードを与えるよりも、手作りご飯の方が各段に安全であり、歯周病のリスクを回避できるという事です。
人間の食材を分けあたるという方法であれば、市販品よりも食欲も刺激される上に、安全性が高く、より健康的な生活を送ることができます。飼い主さんが食後に歯磨きをする場合でも、歯ブラシで数回、歯の表面を撫でるだけで簡単に汚れを取り除くことが出来ます。
愛犬の食事を見直す場合も正しい知識をもち、何が愛犬にとってベストな方法なのかを考えてあげましょう。
投稿者プロフィール

- ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。
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