「犬の歯周病」再発を防止する方法
- カテゴリ:犬の歯周病対策
- タグ:犬の歯周病

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歯周病の治療法と言えば動物病院での歯垢、歯石除去があります。施術前と施術後の写真を見比べると歴然と効果があることを誰もが実感するでしょう。しかし、かかりつけ医となる獣医師は、まだまだオーラルケアの重要性を飼い主に伝えていないケースも多く、犬の歯周病が一向に減らない大きな原因はそこにあります。歯石がついたら取ればいい、というのではなく、あくまでも一過性の処置であることを正しく理解しなければなりません。
歯垢や歯石は一旦全て取り除いても、今後も日々の食事やオヤツを通じて蓄積されます。歯周病対策に大切なことは歯垢や歯石が蓄積してしまってから取り除くのではなく、蓄積自体を防ぐことです。
ここでは歯周病や口内トラブルの再発を防ぐための方法をご紹介させていただきます。
自宅での定期的な歯磨き習慣
歯垢や歯石の付着、歯周病の予防に最も効果的な方法は家庭で定期的に行う歯磨きです。
犬に歯磨きが必要と聞き、驚かれる方は少なくなりました。しかし、「歯ブラシ」を使っての歯磨きができている飼い主さんはまだ少ないのが現実です。
現代を生きる犬達は食生活が多用化したことで人間同様に歯垢や歯石、口臭、歯周病に悩み、歯磨きを必要としています。ただ自分自身では歯磨きを行うこと、ケアをすることが出来ないので飼い主さんの協力がかかせません。
歯磨きを行う方法は
- 犬用歯ブラシを利用する
- ガーゼを飼い主さんの指に巻き付け、歯の汚れを拭き取る
- シロップ式の歯磨き粉を利用する
- 歯磨き効果のあるおもちゃやガムを与える
など様々です。
愛犬の性格や生活習慣、年齢などに応じてベストな方法を選らんであげましょう。
歯周病対策のための歯磨きは数日もしくは毎日継続することで効果が現れます。
もちろん歯磨きを施す時間はわずか数十秒ですから、家族が帰宅しテレビを見ている合間にでも簡単に済ませることが出来る程度です。
決して難しいお手入れではないので、まずは気軽に始めてゆきましょう。
また小型犬の中には口周りに触れらえることを極度に嫌がる場合もあります。このような場合、無理に歯ブラシやガーゼを用いることはお互いの関係性を悪化させてしまい、かえって逆効果です。
犬用歯磨き製品の中には飲み水に混ぜるだけ、口内に滴下するだけという簡単に利用できる製品もあります。
決して無理強いをしないことを前提に継続出来る方法を考えてあげましょう。
食生活の見直し、改善
歯垢や歯石の再付着を防ぐために大切な事の1つに食生活の見直しがあります。
現在
- 缶詰
- レトルトフード
- ジャーキー
- 半生フード
などを主食として与えている、頻繁に与えている場合はこれらの製品に含まれている添加物に注意が必要です。
これらの製品に含まれている添加物の中には非常に粘着性の強い成分があります。この成分は食事をするたびに歯の表面に付着し残留します。まるでボンドの様に歯の表面では働き、食べかすや雑菌を吸着し続けてゆきます。
犬は本来自分の唾液だけで口内を清潔に保ち、歯を正常な状態に保つ事が出来ます。それは犬の唾液に高い洗浄効果、雑菌効果があるからです。
しかし人工的に作られた添加物はこの唾液の威力を上回るものが多々あります。そのため犬の唾液では洗浄することがかなわずに歯の表面に残留してしまうのです。
この仕組みを根本から解決しなければ、動物病院に依頼し、全身麻酔をかけてまで歯垢や歯石を除去しても再発を繰り返すことになります。
年齢や食の好み、これまでの食生活を考えるとある日突然これまでの食生活やドッグフードを取りやめ、ドライフードに切り替える、手作りご飯や無添加製品に切り替えることは簡単ではないでしょう。
でも徐々にでも切り替え、添加物を除去するよう心掛けることで、再発を遅らせることならできます。
再発は何度も繰り返すうちに次第にサイクルが短くなり、しまいには治療の施しようがないというケースにまで至ります。再発を予防するためにも食生活の見直しに真摯に向き合ってあげましょう。
唾液の分泌を促進することも効果的
犬の唾液には十分な洗浄、殺菌効果があります。
そのため犬の祖先である野生のオオカミや人間の残飯を食べ暮らしていた時代の犬達は歯周病や歯垢、歯石とは無縁の生活を送っていたとも言われています。
現代の様に定期的な歯磨き習慣や歯周病の問題を抱えるようになったのも犬の現代病の1つともいえるでしょう。ただ忙しい毎日の中で、たとえ短い時間でも愛犬の歯磨きに時間をさけないという事もあるでしょう。
そのような場合は出来る限り添加物の少ない食生活を送ることと合わせて、犬の唾液分泌が促進されるような仕組みを生活に取り込んであげるとよいでしょう。
犬の唾液分泌は物を噛むことで促進されます。
ですから愛犬にガムやぬいぐるみ、木製おもちゃなど適度な硬さがあり、噛んで遊ぶことの出来る物を与えておきましょう。
この方法ならたとえ飼い主さんが忙しくても、留守にしていても愛犬は自らの持つ身体機能である程度の口内ケアを行う事が出来ます。
もちろんこの方法だけでは決して十分ではありません。
この方法を合わせてトリミングショップ利用時や動物病院受診時にデンタルケアのサービスを利用することでより確実な予防へとつなげることが大切です。
投稿者プロフィール

- ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。
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