子犬の為の歯磨き習慣(パピー歯磨き)

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日々の歯磨きは習慣化することで、将来の歯垢や歯石予防につながります。

ただ犬にとって歯磨きは決して快適なお手入れではありませんが、一方では、そのまま放置される歯垢や歯石は不快なものです。歯周病が悪化すれば、美味しく食事をすることもできません。

もともと、子犬の歯は艶がありピカピカとしています。子犬のような口内環境を維持するために今日から歯磨きの習慣化を目指しましょう。

まずは仰向けになる練習から

犬に歯磨きをするとき、どのような姿勢でお互いがいることが理想的かというと、小型犬であれば仰向けもしくは横たわった姿勢でしょう。

中、大型犬の場合も同様ですが中大型の場合はお座りの姿勢でも構いません。

小型犬の場合も高いテーブルの上や椅子の上に上がることに抵抗がないならお座りでも問題ありません。

ただ歯磨きは犬にとって決して快適なことではないので、高い場所に座らせ行うことで、不意の隙に小型犬が飛び降りてしまう危険があることは常に意識しておきましょう。

犬にとって仰向けになる姿勢は相手への服従、降参を意味しています。

無邪気な子犬のころなら何の抵抗もなく仰向けになることも、そのまま昼寝をすることもありますが成長と共に無防備な姿勢を嫌がることもあります。

歯磨きのためには

①      飼い主が床に足を延ばした姿勢で座る
②     伸ばした足の上に愛犬を呼び、あおむけに寝かせる
③  ②の時、愛犬の頭部が飼い主のお腹側に、愛犬の後肢が爪先側に向くように

寝かせます

④  まずは③の姿勢で危険がない事を理解させるために、撫でたり、優しく

声をかけてあげましょう

⑤  愛犬がリラックス出来てきたら、上唇を軽くめくり口内に触れてみましょう
⑥  嫌がる場合は無理強いをさせずにただ撫でるだけに戻ります
⑦ 愛犬が口内に触れることを受け入れてくれたら、用意しておいて歯ブラシで力を入れずに磨いてゆきます

もし歯ブラシの感触や口内に触れられることに嫌がる場合は、飼い主の指差に少量の犬用歯磨き粉を塗り、舐めさせてあげましょう。

愛犬の好きなフレーバーの歯磨き粉であればオヤツ感覚で喜んでくれます。

次第に歯磨き粉を食べる、もらうためには仰向けになる必要があると理解して、歯磨きを受け入れてくれるようになってゆきます。

歯磨き嫌いにさせないことが成功の鍵

犬にとっては歯磨きも爪切りも肛門腺絞りも野生の環境では必要ではないお手入れです。ですからどんなに日ごろ大人しい性格であっても途端に豹変して嫌がることも当然です。

決して
・叱る
・叩く
・驚かす
・強く押さえつける
という行動を取らないように注意しましょう。

しつけの手法の中には、犬のわがままを受け入れてしまうことで、さらに問題が悪化する、犬を扱いにくくなるという説もあります。

しかしこれは犬に本来必要な行動、犬が必要性を理解出来る行動にのみ当てはまる理屈です。

歯磨きの様に本来犬には全く必要のない事を無理強いするのですから、犬が本能から拒絶するのも当然です。

例え最初の数回は無理やりでも歯磨きを終えることが出来たとしても、次第に拒絶反応は強くなり、しまいには触れることも歯ブラシを見せることも出来なくなるでしょう。

犬も飼い主もお互いが歯磨きの意味を理解し、受け入れる態勢が整うことを目指し決して無理強いをさせないように心がけてあげましょう。

習慣化することを目指す

子犬のピカピカとしていた歯が茶色く変色し、口内炎や歯肉炎を発症するまでには数年もの時間がかかります。だからといって歯磨きをしないのではなく、小さい頃から習慣づけましょう。

毎日少しずつ歯垢や歯石が蓄積し続け、3,4歳を目途に病的とも言われるまでに悪化します。

しかし見方を変えれば、歯のトラブルは一日、二日で急速に悪化するものではないとも受け取れるでしょう。歯磨きをするとき、毎日、毎食後に完璧に仕上げる必要はありません。

数日に一回、週末だけは念入りに歯ブラシで磨き上げ、忙しい平日はシロップ型の歯磨き粉を利用したり、コットンロープを与えたり、ガムをかませるという方法でもよいでしょう。

大切なことは一過性のお手入れではなく、今後長年に渡って継続することです。

犬自身はもちろんのこと、飼い主までも負担に感じ始めてしまうと気が付けば歯ブラシ自体から目を背けてしまいたくなるでしょう。

歯磨きアイテムにはとても手軽な製品がたくさんあります。

例えば
〇シロップを飲み水に滴下するだけ

愛犬のいつもの飲み水の器に適量のシロップを滴下することで、愛犬に歯磨き成分を摂取させます。この成分は無味無臭ですから愛犬が飲水を躊躇することもなく与えることが出来ます。

摂取した成分は歯の表面についている歯垢や歯石を徐々に分解し、溶かし出す効果があります。

〇ガムをあたる

ガムを一生懸命に噛み続けることで、唾液の分泌量が増加します。

唾液には高い洗浄、殺菌効果があるので歯の表面に残留した食べかすを洗い流してくれます。

すでについてしまった歯石や歯垢を除去するほどの効果はありませんがこれ以上の付着を防ぐ事を期待できます。ガムにすぐに飽きてしまう場合は表面に歯磨きペーストを塗ったり、ささみが巻いてあるガムを選ぶと長い時間飽きずに噛み続けてくれるのでお勧めです。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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