歯石除去の最大のリスクは全身麻酔
- カテゴリ:無麻酔歯石除去
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歯の表面が茶色く変色している、緑色の石化している、口臭がひどい・・・
このような症状が気になる時は早急に動物病院を受診しましょう。
日ごろ愛犬の口の中まで細かく目を配ることはあまりありませんが、もしふとしたタイミングで気が付いたら至急治療を始める必要があります。このような深刻な症状は自然治癒することはなく、日々悪化する一方です。
時間が経つことでさらに症状が広がることもあり大変危険です。
歯垢や歯石の除去は手術と同等の麻酔が必要
歯の表面に蓄積してしまった歯垢や歯石に触れてみるとまるで石のように固く、歯と一体化してしまっています。大抵の場合3,4歳ごろから目につくほどの症状となって現れます。
ただ飼い主がぱっと目をやっただけで目立つほどに症状が進行してしまうと家庭の歯磨き程度では根本的な解決は目指せません。
毎日家庭で歯磨きを続けても蓄積された歯垢や歯石の表面を撫でるだけに終わり、本来の歯の表面のケアには至っていないからです。
愛犬の歯や行動に
・根本が茶色く変色している
・緑色に変色している
・歯の表面が歯垢で凸凹している
・歯茎が腫れている、出血している
・歯がぐらぐらする
・口臭がひどい
・食事を躊躇する、食べることをためらう
・食欲不振
・おもちゃやタオルに茶色い汚れがついている
などがみられる場合はすでに歯垢や歯石で深刻な症状に陥っているサインです。
早急に動物病院で高度処置を受けましょう。動物病院では全身麻酔をかけ、安全を確保したうえで、スケラーと呼ばれる専用の器具で歯の表面の汚れを削り取ります。
まずは高度処置を受け、蓄積してしまった歯垢や歯石を一旦全て取り除き、現状を正しく把握することが必要です。ただこの高度処置には全身麻酔が必要です。口内という繊細な部位の処置ですから、犬が不意に動くこと、興奮することで大出血を伴う危険性があります。安全にスムーズに処置を進めるうえでは麻酔は欠かせないのです。
しかし麻酔は小型犬であれば3,4時間、中大型犬でも回復までには4,5時間かかることもあります。
もちろん安全に配慮をしつつも必ずしも万全ではないことは承知しておかなければなりません。
高齢、持病、体質によっては死に至るリスクも
一見健康に見える犬でも
・高齢
・持病がある
・体質
などの理由から麻酔をかけることで死に至ることもあります。
犬の病気の中には症状が出て初めて発見出来るケースもあり、必ずしも外見の健康が内面の健康という事ではありません。
事前の検査では麻酔の危険性を判定できないこともあります。
また中にはストレスや精神的な原因から危険な状態に陥るケースもあります。
もちろん何度も全身麻酔を行うことでさらに危険度が高まることも理解出来るでしょう。
将来、高齢になり手術や治療が必要になることを見越せば麻酔の頻度は出来る限り抑えたいものです。
処置後も再発のリスクは高い
全身に麻酔をかけ、歯垢や歯石を除去する処置は、あくまでもすでに蓄積してしまった汚れをリセットするにすぎません。高いリスクを冒し処置をしても、今後の生活習慣を改善しなければ数年後にはまや同等の処置が必要になるほどに症状は進行します。
処置が終わってからは
・食生活の見直しをする
・歯磨きを習慣化する
・定期的に動物病院を受診する
この3点を心がけて継続してゆきましょう。
中でも食生活は重要な項目です。これまでと同じ食生活を継続していては、再発は避けられません。
ただこれまでウエットフードや柔らかいおやつを主食とする食生活を送っていた場合、突然ドライフードに切り替えても犬自身が戸惑い、食は進まなくなるでしょう。
そのような場合は、
・ドライフードをふやかす
・ふりかけなど増粘剤不使用の製品で嗜好性を高める工夫をする
・無添加、無着色で安全性の高いウエットフードに限り利用する
という方法で対処をしましょう。
全身麻酔を用いた処置は効果が高いものの、リスクも高い方法です。
年齢が上がることでさらにリスクも増大することを考え、今後の再発予防に真剣に取り組みましょう。
日ごろの歯磨き習慣で高度処置を回避しよう
これまで歯磨き習慣がなかった犬に突然歯磨きを習慣化させる事は決して簡単なことではありません。
飼い主が考えるような歯ブラシと歯磨き粉を利用したスタイルを受け入れてくれないことも多々あります。
そのような場合は
・液体型歯磨き
・おもちゃ型歯ブラシ
・ガーゼ型歯磨き
など初級者向け用品を上手に活用しましょう。
まずは歯磨き用品の感触に犬自身が慣れること、抵抗感をなくす事から始めてあげましょう。
なかなか歯磨きを受けいれてもらえない場合は飲み水に滴下するだけで摂取することが出来る歯磨き用品を活用したり、歯の表面にシロップを数滴たらすだけという手軽な製品もおすすめです。
歯磨きはなかなか手軽で即効性のある製品がありません。毎日習慣化することで成果がでるので、焦らず、日々短時間からでも続けてゆきましょう。
投稿者プロフィール

- ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。
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