犬に歯磨きが必要な訳

  • カテゴリ:犬の歯磨き方法
  • タグ:ドッグフード原因, 犬歯磨き

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犬にも歯磨きが必要!と聞き、驚かれる方も年々少なくなりました。ここ数年で、犬の歯周病の知識も一般的になり、歯磨きをする飼い主さんは増えていると言われています。

昔は、犬のお手入れと言えばシャンプーとブラッシング程度でした。30年以上前の犬の飼い方の本には、歯磨きをするといえば、「軍手などをはめて歯をこすってあげましょう」程度でした。

しかし、ここ十年ほどで犬の生活習慣、食生活が多用化したことで、今の時代は犬にも歯磨きが絶対に必要なのです。ただ犬にとって歯磨きは決して快適なお手入れではないので、嫌がる、拒絶する、噛みつくということも目立ち、飼い主もお手上げと思う方も多いようです。

最初からできないのは人間の赤ちゃんも同じです。徐々に慣らすことできっと受け入れてくれるようになるので、歯ブラシの方法を正しく理解し、スムーズに終えてあげましょう。

ドッグフードに含まれる成分が原因

犬の歯磨きは今ではごく当たり前の話題になっていますが、実はペットショップの店頭に歯磨き用品(主に歯ブラシ)が並ぶようになったのはこの10年ほどのことです。それまで犬に歯磨きをする必要があるとは誰もが考えないことが当たり前でした。

実はこのような犬に関する変化には多様化した食生活が大きく関係しています。

ドッグフードのラインナップが増え、食事が美味しく、便利になった事で新たな課題が生まれたのです。犬に歯磨きが必要でないと考えられたいたころの犬の食事と言えば飼い主の残飯が当たり前でした。

その後ドッグフードが市販されるようになってからもドライフードが主体であり、歯磨きとも無縁な生活が続きます。しかしチワワに代表される小型犬ブームが起こると、

・ドライフードを食べない
・食が細い
・美味しい物を食べさせてあげたい

というようにこれまでになかった様々な問題が沸き起こりました。

この問題を解決するためにドッグフードは缶詰などのウエットフードが続々と誕生し、柔らかい食感のフードやおやつも急増しました。
これらの製品は

・嗜好性
・風味
・食感
・見た目

とどれをとっても飼い主の目を引くものばかりです。愛犬が喜んで食べてくれる姿を目にすると、製品への評価、信頼度も高まる一方でしょう。ただこれらの製品は

・水分含有量を高めること
・長期保存を可能にすること
・嗜好性を高めること

を求められていたので当然様々な添加物が配合されました。

中でもウエットフードを成型するための粘性の高い成分は様々な弊害をもたらしました。
増粘剤と呼ばれる成分は食することで犬の歯の表面に残留します。この成分は原材料の成型に利用されるほどですから、当然犬の唾液では十分に洗浄することが出来ず、いつまでも歯の表面に残留します。

結果的にはこの成分が吸着材の役割を果たしてしまい、後から食べた食べ物のカスを歯の表面に貼り付けてしまうのです。次第にこれらの残留物は歯垢や歯石となり口内トラブルを引き起こします。
この悪循がこの10年ほどで急増したことで犬の歯垢や歯石、虫歯といったこれまでになかった問題が増加しているのです。

長寿化が進み口内トラブルが増加

犬に歯磨きが必要になった背景には犬の長寿化も関係していると言われています。
犬の寿命は

・生活習慣の変化
・ドッグフードの品質向上
・動物医療の発展

を背景に数十年前の倍近くまで長くなっています。今では20歳を超える犬も珍しくないほどです。ただ犬も10歳を超えるシニア期になると次第に歯の不調が目立つようになります。

若く健康なころから蓄積された歯垢や歯石が口内トラブルを引き起こし、自力では食べ物を噛むことが出来ない、痛みた出血が慢性化するという事もあります。

シニア期になってからも元気で自力での食事を続けるためには若く、健康な頃から歯の健康を意識しいて、歯磨きを習慣化しておくことが理想的です。歯垢や歯石の蓄積は毎日ごくわずかな量ずつ積み重なります。若く、健康な頃は目だった異変や症状もみられないものです。

しかし年齢を重ねる中で徐々に症状が深刻化してゆくので、早めの対処を考えておきましょう。

犬は歯磨きの必要性を理解できません

犬が室内で家族同然に暮らすことは今や当たり前のことです。

でも犬にはまだまだ野生の習性が色濃く残っています。

そのため歯磨きをすること自体を受け入れられない、苦手と感じてしまうことも仕方がないことです。飼い主がシニア期の事を考え、歯磨きを習慣化しようと取り組んでも中には激しく拒絶することもあります。

犬にとって歯磨きは決して快適なもの、心地よいものではありません。

飼い主の意向が理解できず激しく抵抗してしまうことも当然です。
でもここで飼い主が

・無理強いをしてしまう
・厳しく叱る
・無理やり押さえつける

などの方法をとってしまうとますます犬は歯磨きが嫌い、苦手、身の危険を感じてしまいます。

苦手なこと、嫌がることは当然の事と理解し、ゆっくりと時間をかけて歯磨きを習慣化出来るよう取り組んであげましょう。自宅でのケア、習慣化が難しい場合はトリミングショップや動物病院の歯磨きコースをぜひ利用しましょう。

専門化による処置であればより確実であり、犬もスムーズに受け入れてくれる事が多くなります。

まずはお気軽に相談をすることから始めてみましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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