愛犬の歯石がもたらす口内トラブル

  • カテゴリ:犬の歯石対策
  • タグ:ホームケア

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食欲がない、食べ残すことが多い、ドライフードが嫌いといった食に関するお悩みや不意にか噛みつく、威嚇するといった問題行動にお悩みの方が増えています。

特に小型犬に多く見られ、中には性格だから・・・と諦めてしまっているというご家庭も多いことでしょう。

でも実はこのようなお悩みは歯石や歯垢が原因となっていることもあります。

愛犬の生活や様子を再度見直し、気になる症状は早期に動物病院に相談をしてあげましょう。

気が付いてあげたい日常生活に起こる変化

小型犬の大半は3,4歳を目途に歯垢や歯石に付着が目立つようになります。

日常生活では

・歯の根元部分が茶色く変色している

・顔を使づけると口臭がする

・おもちゃを噛んだ後に茶色く汚れがついている

・ガムを噛んだ後に出血跡がある

などの変化が目に付き始めます。

これらの症状が歯垢や歯石による口内トラブルが進行しているサインです。口内の健康を保つためには、症状が悪化してから治療に取り掛かるのではなく、症状が出る前の予防がより効果的な方法です。

上記のような症状がみられるという事はすでに「病気」と呼ばれる程度まで悪化している可能も考えられるので早急に動物病院を受診しましょう。

犬は痛みを我慢しがち

上記のような症状は気になるものの

・これまでと変わらず食事が出来ている

・食欲が旺盛

・元気一杯

・下痢や嘔吐もなし

となるとなかなか「病気」という実感がわかず、つい動物病院の受診も先送りになってしまいがちです。しかし口内のトラブルは目には見えないものの日々進行している上に、出血や痛みを伴うこともあります。

実は犬は痛みへの耐性が強く、相当な痛みでも我慢をしてしまう事があります。

一見、これまでと変わらないように見える場合でも、動物病院で診察やレントゲン検査を受けるとあまりに深刻な症状に驚かされることもあるのです。

人間でも歯や歯茎に痛みがある時は、痛みを感じる都度憂鬱な気分になります。時には水を飲むことさえもつらいと感じるほどです。

愛犬も同じ痛みを感じることがあり得るという事を理解し、早急に対処をしてあげましょう。

歯石や歯垢が原因で起こるトラブル

歯垢や歯石とは日々の食事から生じた食べかすが口内に残留し、雑菌となることで発症をします。

初期の時点ではうっすらと汚れがついている程度のはずが、数か月、数年と時間が経つにつれて日々汚れが上書きされ続けることで、気が付けば石状に変化します。

歯の表面に石が付着していれば当然痛みや違和感があり、雑菌の温床ともなります。

完全に石化してしまった食べかすは自然と解決に至ることはなく、日々悪化する一方です。

中には雑菌が体内に侵入し

・呼吸器のトラブル

・心臓疾患

・消化不良

などを引き起こすこともあります。

また歯茎が腫れ上がることで、些細な咀嚼さえも痛みを伴い、中には食事をすることを躊躇するというケースもあります。

痛みを抱えた歯や歯茎は衝撃にも過敏になりがちで、飼い主が不意に口元に触ろうとした時や他犬がじゃれつこうとしたときに過敏な反応を見せてしまうようにもなります。

ただあまりの痛みからくる自衛行動の場合、飼い主の側もむやみに叱ることも出来ないので、お互いが決まづ位関係になりがちです。

一旦、悪化してしまった歯垢や歯石による口内トラブルは自宅でのお手入れだけでは十分に解消できない場合が多いのでまずは動物病院に相談をしましょう。

治療や家庭でのケア方法

動物病院では、歯垢や歯石の除去にいくつかの対処法があり、症状の程度によって検討しましょう。

一般的には全身麻酔をかけ、歯の表面の汚れを削り取る方法を施します。高齢の場合や汚れの程度が初期症状の範囲内であれば無麻酔での処置も可能です。これらの方法は即効性があり、目に見えて改善を実感できます。

施術の前後の愛犬の歯の写真を見比べるとその違いは一目瞭然です。ただこの方法はあくまでも「これまで」についてしまった汚れを取り除く処置にすぎません。大切なことは「これから」つくであろう食べかすや歯垢、歯石を予防することです。

動物病院から帰宅し数日経過し、口内の状態が落ち着いたら今後のお手入れの練習を始めましょう。

たとえ高度な処置で歯の表面がきれいになっても、今後の予防措置を十分に講じてあげないと、再度同じ症状が起こることになり、都度全身麻酔での処置を繰り返すことになります。

全身麻酔による処置は施術中の事故を防ぐことはできるものの、麻酔により別のダメージ、トラブルが起こることもありえます。体質や年齢によっては麻酔が命に係わる場合もあります。

愛犬へのリスクをできる限り回避するためには、口内のお手入れは「家庭で」「定期的に」が最もおすすめの方法。家庭でお手入れは毎食後ではなくとも、週に数回でも十分な効果を期待できます。ペット用歯ブラシ、歯磨き粉を利用し歯の表面を数回ずつ磨き上げます。

犬の歯磨きと聞くと難易度の高いお手入れでは?とも思われがちですが、実際にはわずかな時間で簡単に終えることの出来るお手入れです。

まずは気軽に、スキンシップのつもりで歯磨きに挑戦してみましょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

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