はじめてでも簡単歯磨きの基礎テクニック

この記事をシェアする

犬の歯磨き用品を購入はしてみたものの、その使い方に戸惑いを覚える方が大勢います。

ここでは初めての歯磨きがスムーズにはかどるよう基本的な手順をご説明させていただきます。

初めての時は短時間、嫌がらない程度が基本

犬にとって歯磨きは何かと苦手意識をもちがちな習慣です。

そのため中には遊びと勘違いしてしまう、嫌がる、逃げる、威嚇するという態度を見せることもあります。

でもこのタイミングで飼い主さんが叱る、厳しい態度を見せる、無理やり押さえつけるという誤った行動をとってしまうと、ますます愛犬の歯磨き嫌いを助長してしまうので注意しましょう。

愛犬が歯磨きを嫌がる場合は、あえて継続せずに中断し、愛犬を自由にさせてあげましょう。この方法ではいつまで経っても歯磨き習慣が身につかないのでは?

愛犬を甘やかしてしまっているのでは?と不安に感じてしまう方もいるでしょう。

でも実はこの方法は嫌がる犬にとって効果的な方法です。

飼い主が無理強いをしたり、力ずくで歯磨きをさせる習慣がついてしまうと、次第に愛犬のストレスは増大しいつの日か大きな反撃となって帰ってくることになります。

歯磨きはこれからも長年継続すべき習慣ですから、愛犬に歯磨きを正しく理解してもらい、自ら受け入れてもらえるよう誘導してあげることが大切なのです。

たとえ最初は数秒しか磨かせてくれない・・・という場合でも定期的に継続することで次第に歯磨き時間を伸ばせるようになり、最終的には飼い主さんからの合図が出るまでじっと待つことが出来るようになるものです。

焦らず、気長に愛犬の歯磨きに付き合ってあげましょう。

初めての歯磨きの手順

はじめての歯磨き、歯磨き嫌いな愛犬への歯磨きの方法をご説明させていただきます。

①まずは顔、オデコから徐々に移動し口元にやさしくタッチします。

人間の手が口元に触れることから慣らしてあげましょう。

②次に軽く上唇をめくり、歯茎に軽く振れます

口内に飼い主さんが触れることに慣らします

この段階で愛犬が嫌がる場合は決して叱らずに優しく声をかけて落ち着かせてあげます

③②までの手順を嫌がらずに受け入れてくれるようになったら、軽く口を開け奥の方に指を入れて、奥歯に触られることに慣らしてゆきます

③までがスムーズにできるようになるまで、小型犬の場合、数週間かかることもあります。

中には不意に飼い主さんに噛みつくような態度を見せることもあります。しかしどのような場合でも決して厳しく叱らないこと、大げさに騒がない事を心がけてあげましょう。飼い主さんはおおらかに、余裕をもって常に愛犬に接してあげましょう。

こうすることで徐々に愛犬は飼い主さんが口内に触れることもコミュニケーションの一環だ、単なるスキンシップだと受け入れてくれるようになってゆきます。

多頭飼いの場合、嫌がらずに受け入れてくれる愛犬が他犬の見本となるよう、短時間、複数回、上記の手順を繰り返します。

次第に怖がっていた他犬も警戒心を解き、受け入れてくれるようになるので、受け入れまでには性格的な個体差があることも理解することが大切です。

④次に飼い主さんの指にガーゼを巻き付け、愛犬の上唇を軽くめくり、前歯から磨く練習をします

緊張状態にある犬は決して進んで口を開けようとはしません。

無理に口をこじ開けるのではなく、上唇を軽くめくるだけで磨くことの出来る前歯の数本を磨くことから練習を始めます。

前歯を磨く間は軽くマズル(鼻先)を上に向けるとスムーズに磨くことが出来ます。

最初はほんの数秒、数回でも磨かせてくれたら多いの褒めてあげましょう。

⑤歯磨きに使用するガーゼは常に清潔な物を用います。

数回歯の表面をこすっただけで茶色い汚れが付着することもあります。

この時、清潔な部分に変えて歯を磨きます。

⑥前歯を磨くことを受け入れてくれるようになったら、口を閉じた状態で犬歯や奥歯まで飼い主さんの指を入れ、優しく磨き上げます

⑦さらに上級者は軽く口を開けさせ、犬歯の裏側や奥歯の裏側など隅々まで磨いてあげましょう

歯磨きは数回に小分け作業でもOk

小型犬にとって自由行動の時間を制限されること自体が苦手なものです。

中には数秒歯磨きを我慢することだけで限界だと訴えることもあります。歯磨きは今後も継続的に習慣化してゆきたいお手入れです。そのため一回のお手入れで全ての歯を磨ききれなくてもまるで問題はありません。

例えば朝食の後は前歯だけ、夕食の後の時間を十分にさけるタイミングで奥歯まで磨くというように複数回に分けることも可能です。

例え1回あたりの時間は短くても継続することで、ローテーション式に全ての歯のお手入れが行き届けばよいのです。

この方法なら愛犬が歯磨きを苦手という方、忙しくてお手入れの時間をさけないというご家庭、つい歯磨きを忘れてしまうという飼い主さんでも負担に感じることなく歯磨きを習慣化できるでしょう。

投稿者プロフィール

YUKIYO OHTANI
YUKIYO OHTANI
ペット業界キャリア25年以上。生体販売、トリミング、トレーニングと幅広い経験があり、国内最大手のペット関連企業本部企画業務を10年担当。ペット関連雑誌、サイトへの執筆実績も多数。資格は、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト他、幅広く保有。現在は、ペット業界の求職者に向け執筆活動中。

この記事をシェアする